Artist / NOGUCHI TSUYOSHI

幼い頃に自閉症と分かった
彼の才能を最大限に引き出したのは
福祉制度の利用選択では無く
画家として生きる道を選択した事だった。


エネルギーに満ち溢れた迷いの無い大胆なドローイング
彼の天真爛漫な人柄を表すような色使い
風景、人、物を抽象や具象に落とし描く確かな技法は
鑑賞者の感性を揺さぶる程の説得力を持っている。

個性を最大限に伸ばし、あるがままの自己を表現する
彼の作品は、障害が有る無しで
カテゴライズされるものでは無く
Noguchi Tsuyoshiという人間の唯一無二の作品が
そこに光輝くだけである。


Artist / NISHIMURA KENJI

粛然と描く彼の筆先で描かれる題材は、
主に自然の風景や花。
風景や花は彼の解釈により、様々なパーツに解体され、
彼の色彩感覚を通して飛び出した、
色、色、色が豊かさを含み、人の心の奥底にある、
原初の風景を抽象化して再構築している。

あかいろ、あおいろ、みどりいろ、きいろ…
様々な色は世の中にあれど、
彼が色鉛筆で作り出す、幾重にも重ねられた色彩の層は、
カラフルというポップな言葉では括りきれない、
色の洪水とでも表現すべき、深みと重みのある輝きを放つ。

Artist/ YOU

下書き無しで描き込まれた大胆なドローイングは、
迷いが無く力強い。

彼は愛用のポスカや油性ペンを用いて、
食べ物や物、街の風景、身近なものをモチーフに
ビビットカラーを使い分ける。

丹念に塗り込まれるインクは
シルクスクリーンで印刷されたかのように
紙やキャンバスに馴染んでいる。
ハッキリとした発色の強さや
塗りの強さを感じさせつつも、
素直で飾り気の無い、
暖かみを感じさせるアートを確立させている。

Artist/ HOKAZONO KANAME

彼はほぼ毎日決まったようにA4用紙にアートを描く。
用紙の質感、色鉛筆のメーカー、
一つ一つに彼独自のこだわりがあり、
今の抽象的で深みのある作品を完成させている。

数本の色鉛筆を選び取り、A4用紙に色の境界を引き、強い筆圧でびっしりと隙間無く色が重ねられていく。
高い集中力で激しく、何度も鉛筆を練り重ねるため、完成されたA4用紙はコーティングされたかのように色が鈍く光り輝き、色鉛筆で描いたとは思えない、彼にしか描き得ない世界を作り出している。

彼の障害のため、本人が多くを語る事は無いが、強い色、優しい色、明るい色、暗い色、尖った形、柔らかな形、その時々で作品の表情は違っており、彼のアートを見ていると、確実に何かを「伝えている」と感じる。

Artist/ TANAKA RIKUTO

彼の制作過程は何枚もの下書きを重ね、
構成を検討し、緻密に製図を作るかのように
工程を重ねていくのが彼の美学。

寸分の狂いも無く描かれた彼のドローイングは
驚く事にフリーハンドで描かれている。

彼の作品のタイトルの最初には
必ずピカソ風が付けられていて、
「ピカソ絵風不思議の国のアリス」
「ピカソ絵風阿修羅像」など
ユニークでファンタジックな世界観の中に、
迷いの無い正確無比なドローイングが
絶妙な空気感を生み、鑑賞者を魅了する。